ピアノ道を極める

目 次
25 アマコンは終わった、さてどうする?       (04年12月15日)
24 曲はとことん弾き込んで完成させよう       (04年10月29日)
23 止ったり、暗譜がとぶのは必ず原因がある   (04年9月28日)
22 ピアニストへのステップ(道)            (04年 8月 2日)
21 自己満足の世界とは                (04年7月15日)

20 楽譜の読み間違いを無くそう           (04年 6月10日)
19 コード奏法は実用音楽だ              (04年 5月28日)
18 目標をもって練習しよう               (04年 4月 2日)
17 あがることへの対策                (04年 3月 1日)
16 良い指導者に就こう                (03年12月 1日)
15 楽譜をよく・よく・よ〜く読もう:再現芸術     (03年 5月25日)
14 ミスを気にし過ぎないこと              (03年 3月27日)
13 フレーズ(メロデー)の弾き方のポイント     (03年 3月12日)
12 頭を使って練習しよう                (03年 2月17日)
11 気合を入れて暗譜をしよう             (03年 1月30日)
10 鍵盤の底までしっかり打鍵しよう         (03年 1月28日)
9 正しい拍感で忙しい演奏にならないように    (03年 1月25日)
8 あがらず、落着いて演奏する            (02年11月25日)
 礼儀正しくピアノを弾く                  (02年11月15日) 
6 弾き易い運指法になっているか?         (02年11月 6日)  
5 暗譜と譜読みのポイント                 (02年10月 5日)  

4 正確なアーテキュレーションの練習 (その1)   (02年 9月19日)
3 東洋思想の陰陽理論に基ずく脱力奏法      (02年 8月28日)

2 人前で演奏する機会を多く持つ           (02年 8月17日)
1 普段ほとんどミスをしない箇所で大ミスをする  
(02年 8月15日)


1 普段ほとんどミスをしない箇所で大ミスをする (02年 8月15日)

 難所でミスをするのは何となく予測もできるし、ミスをしても納得できます。しかし通常問題なく弾けている箇所でも人前演奏では予想外にメロメロになるケースがよくあります。その要因は何といってもアーテキュレーションが不正確でなおかつ不完全なタッチによるものと考えられます。アーテキュレーション(Articulation)は曲のリズム的な
構成を正確に弾くことの意味でテンポ、音価、付点や3連音符……などの正確さが重要です。音楽の流れとして楽譜の横方向の流れを重視することは勿論大切ですが、アーテキュレーションとしては楽譜の縦方向即ち左手と右手の音のタイミングがキッチリ合っていることが極めて重要です。これが案外できてなく両手の音が微妙に実はズレているケースが多い。普段の自分のピアノでの練習では慣れからのあるバランスで何となく弾けていますが、いざコンサート等で人前で弾くとき、まずピアノが違う、精神状態が変わる、テンポが変わる等々の要因ですっかり普段のバランスが崩れ、両手の音のズレが際立ってきて弾けなくなるすなわち大ミスになるという構図です
昔から何年も弾きなれている曲は、意外にアーテキュレションの点で不正確なまま覚えていて直すのが難しいと言われます。その意味では新曲で正確な譜読みをして開始し、1・2小節づつ取り出して正確なアーテキュレーションを弾きこむことが効率的です。


 人前で演奏する機会を多く持つ       (02年 8月17日)

 とにかく人前で演奏する機会をできるだけ多く持って経験を積むこと。これには誰も異論は無いでしょう。本来ピアノを弾くことの一義的な目的は人前で演奏し感動を与え自分も満足することですね。 練習をしたり、他人に教えることが主目的ではないはずです。 しかし当初は人前では手が震えたり、鍵盤の位置を勘違いしてオクターブ違った位置から弾き始めたり、 集中力が無くなって演奏が終りまで行かなかったりといった苦い経験を多くの皆さんが味わったと思います。これ等の問題は演奏経験を重ねるなかで解決します。
逆に演奏上の問題箇所を発見できることで、プロのピアニストの皆さんも自分のサークルを主宰するなかで人前練習に努めているようです。当「ピアノ道を極める会」の師範代ピアニスト・池邊祐己子氏(ゆきちゃん、HPでは彼女のお見事な演奏が聴けます:リンク集のページ)のお言葉。「人前で3回恥をかいたら、ちゃんと弾けるようになる・・・、 だから、毎月のふれあいコンサ−トで、せいいっぱい恥をかいて、しっかり反省の糧にしようかと目論んでいるのですよ。
FANTASIAを主宰されているピアニスト児玉肇氏も同様、月例会では次のリサイタルの演目曲を必ず演奏されますね。
サークルのオフ会やコンサートは探すと結構多く、首都圏でも10サークル程度あります。また特に地方のホールでは自由参加の無料演奏会、ピアノ開放日など
最近多くなってきて喜ばしいことです。一方コンクールにおける演奏には非常に大きなプレッシャーがかかりますがこれ等の修羅場を経ることで大きな進歩が自覚できることも事実で、挑戦する価値が大きいと考えます。ピアノは1人でこつこつやるだけでは大成しません、よき指導者やいっしょに頑張る仲間を得ることも非常に大切です。


 東洋思想の陰陽理論に基ずく脱力奏法       (02年 8月28日)

 「ピアノ道を極める会」の師範代をお願いしているピアニスト・池邊祐己子氏がかねがね東洋思想に基づく陰陽理論による独自の脱力奏法を唱え、驚異的と言える顕著な成果を輩出していると聞いてセミナーとレッスンをお願いしました。8月24日松戸市のPFN(リンク集にあるピアノの会)の会員8人(ほとんどの方がピアノの先生)がツエルニー30番練習曲を中心とした理論と実技て実践的な2時間程のセミナーでしたが話題百出、延々と質疑応答がありセミナ予定時間を遥かに超えてしまいました。多くの会員が大きなインパクトを受けたようでそれぞれ個別指導の依頼の話を検討していました。
 ○陰陽理論とピアノ奏法との関連  ○音楽的エネルギーの伝達経路理論 
 ○上腕の旋回と脱力法         ○実際演奏による実技指導
 
 おばぴーはこの日90分の個人レッスンをお願いしました。その即効効果はまさに「塗ればピタリと治る筑波のガマの油」(例えが悪いですね)。シューベルトの即興曲もショパンのバラード3番の難所も、ゆったりとテンポをキープして楽に弾けるではないか!!今までしゃかりきに頑張ってきた「蟹の横這い」的指使い、これが上腕を「天使の羽根」のように動かして無理なくいけますね。しかも音も驚く程良くなって。5の指によるトップの音質やタイミングが音楽的になって。。丁度、技術的にも行詰まりを感じていた時でしたので、これで新たな光明が見えてきて嬉しいかぎりです。引続き今後のご指導をよくよくよ〜くお願いいたしました。池邊祐己子氏は以前大学の講師もされていて現在中国での演奏旅行をはじめ広く演奏活動をされていますが東京とご自宅・神戸西宮を頻繁に行き来されていて、関東でも指導の機会は容易に得られます。
  ピアノ道を極めるために避けて通れない「陰陽理論」まさに「目から鱗」的驚異の新手法があることを多くの皆さんにご紹介いたします。


 正確なアーテキュレーションの練習 (その1)   (02年 9月19日)

 人前演奏で思わぬミスをする大きな要因は不完全なタッチ、アーテキュレーション(Articulation)であることを冒頭に述べました。いわゆる「浮いたタッチ」即ち鍵盤の底までしっかり落としていないタッチは必ず人前演奏ではミスになり、ミスがミスを誘発する状況になります。
また
アーテキュレーションすなわちリズム的な骨組みを正確に弾く練習が必要です。
@ 1.2小節ごと取り出して弾き込み練習する。 楽譜を必ずよく見る
A 1,2,3,4の拍を正確に強く感じて弾く。特に最終拍が短く詰まらないように注意する。
B 個々の音符、特に付点音符、3連音符なども正確に出す。スラーはとても大切です。
C 指を立てて、また高く上げてしっかり弾く。和音はしっかり掴む。弾くタイミングはまさにびしっとJUSTなタイミング即ち針の穴に糸を通す程の正確なタイミングで 左右手で同時に出す音は絶対にズレないこと。
D 左手も右手の伴奏という考えでなく、右手と同じようにしっかりした音・タッチで弾き込む
この練習はあくまでもメカニカルな訓練で、頭の芯が非常に疲れる作業であり、音楽とは思わないほうが良いようです。
練習というと曲の初めからから最後まで通しで何度も弾いてミスを無くそうと考えがちであるがこれは間違い。むしろ2小節程度づつを取り出して正確なアーテキュレーションを何度も弾き込むことが目的にかなっています。正確なアーテキュレーションを得るためにはメトロノームを使いテンポを70%程度に下げて弾くことも効果的であり必要な練習ステップです。この弾き込み練習を2・3日やることで非常に安定した確実な演奏に進歩します。



 暗譜と譜読みのポイント                (02年10月 5日)

 暗譜とはピアニストにとって実に苦労の多い作業です。楽譜に書かれてあるすべての事を読み取って、頭と体に叩き込む大変な集中力と頭脳と忍耐のいる作業なのです。
ただ楽譜を見ないで弾けるレベルは、単なる暗譜の入口に過ぎない。音を覚えてしまうとつい楽譜を見ないで、何気なく通しで練習してしまう。しかし、これは非常に危険なことでことであります。音を覚えた時こそ楽譜をしっかり見直すことが大切です。
暗譜は
最初の譜読みの段階と関連が深く、初見の延長で楽譜を見るとすぐに全体を通しで弾いて、そのまま暗譜という順序にいきがちですがこれは間違い。最初だからこそじっくり譜面を読み、音符・速度記号・強弱・発想記号など指使いも含め楽譜に書かれてあるすべての事を読み取ることが必要です。最初に覚えた指使いを後から修正することは何倍もの苦労が必要となりますし、ともすると本番でいきなり最初の指使いに戻ってしまう危険性もあり、そうならないためにもやはり最初から自分に合った的確な指使いをしっかり練習をすべきです。
 最初の譜読みの手順としては、例えば1ページ(あるいは区切りの良い部分での曲の分割)を2日でマスターする。最初の日は音符、指使いをマスターし、2日目はその他の強弱・発想記号や曲想などをよく読みとり練習する。この場合ついつい次のページを弾きたくなる心を抑えて、その日の割り当てページのみを集中して練習することがポイントです。次の段階では例えば2小節ずつ取り出して譜面を見ながら弾き込むことの積み重ねなどが重要です。
とにかく何の意図もなく曲の最初から最後まで弾き通すことは、単なる時間の無駄でしかないことを認識すべきで、練習とは常に目的指向で
何かに向かって神経・頭脳を集中して行うものであります。


 弾き易い運指法(フィンガリング)になっているか?     (02年11月 6日)        

 とにかく弾き易い合理的な指の使いかた、手の形、手首の旋回運動になっているかをチェックしてみましょう。 手の形は手をジャンケンのグーの形にしてその第一関節(指の付け根の関節)が引っ込まないように軽く指を開いていけば、ピアノを弾く時の手の形になる訳で、第一関節がへっこんでいると、手が固まってしまい指全体の動きも悪くなります。この第一関節が高い状態でなおかつ上から押した時にグニャとへこまず、しっかりしていることも大切です。
特にチェックすべきことは、ムダに余計な動きをしていないかということで、指先が打鍵する鍵盤の最短距離の移動になっているかが重要です。打鍵する鍵盤の上に指先が置かれてから打鍵するタイミングであり、指先が移動しながらの打鍵は不安定で音も輝きません。また鍵盤上での手指の位置を検討してみましょう。よくある間違いは手の位置が手前過ぎて白鍵上にあり黒鍵を打鍵する度に手が黒鍵の方向に移動する動作が伴い不安定な弾き方になります。一般的には指先が黒鍵の上に位置するような手のポジション(かなり奥の方)が良いようで、母指が白鍵の外側に外れていたり、ましてや打鍵前に指がピョンと上向きに立っていたりしては正確で速い演奏は出来ません。これに手首の適切な旋回を含めてフィンガリングを検討することで難所も必ず弾ける方法が見いだせます。このエクササイズを譜読みの段階で十分検討することが肝心です。初見の延長での手探りのフインガリングでは不十分なことも認識して下さい。


 礼儀正しくピアノを弾く               (02年11月 15日) 

 道を求める者全て礼儀が第1歩であり、また極めた究極の姿でもあります。ステージを含む人前演奏では日頃の練習成果を聴いていただくという謙虚な気持ちが先ず重要です。コンクールの審査員を含め何人かの聴衆の貴重な時間を自分の演奏のためにさいていただいているという認識をしましょう。ここに礼儀の原点があります。当然服装や身だしなみもその雰囲気に合致したものでることは言うまでもありません。ステージの袖からピアノの位置への歩行からお辞儀、着席、楽曲演奏、終了後のお辞儀、歩行、袖からの退出までが演奏と考えます。この間演奏する曲の雰囲気がいつも流れている意識を持っていることが必要です。着席した後は背筋を伸ばし、一度肩の力を抜いて手をブラリとさせる動作を入れ、それからすっと鍵盤の上に手を移動しそのまま演奏に入る、演奏開始前に鍵盤の上で何か拍子をとったり手をひっこめたりする動作は好ましくないようです。着席した時から既に演奏する音楽が始まっているし、最後の音を弾き終わっても十分な休符をとりその間やはり音楽は続いていると考えます。客席にお尻を向けて椅子の高さ調整をやる人が意外に多いので気を付けよう。仲間内の演奏会などでは曲の演奏が始まる前に、ジャランと音を出す癖のある人も気を付けましょう。演奏中の姿勢は非常に重要で背筋を伸ばした正しい姿勢をキープすることで自分の出した音もよく聴こえるし、かがみ込んだ姿勢ではテンポが走ったりし演奏そのものが悪くなります。おばぴーが昔エレクトーンを習っていたときは「見世物ですから」と言ってマナーや演奏姿勢、服装など細かく指導されました。「見世物」と言う言葉には抵抗がありましたが、人に演奏を聴いていただくための本質論ですね。


 あがらず、落着いて演奏する     (02年11月 25日)

 ステージで演奏するときは、誰でも必ず緊張するしまたあがります。全然あがらないのはおかしいし、適度な緊張がむしろ良い演奏には必要であるとも言われています。緊張すると、心臓の鼓動が早くなり、どうしてもテンポが上がってしまいます。本番1時間前までに積極的に体を動かしておくと、人間の体は鼓動が早くなると元の速さに戻ろうとする習性があるため、本番を迎える頃にはリラックスできるという説もあります。また左手の薬指(4指)を右手で握って揉むと心臓に直結した神経の作用で心拍数が上がらないという医学的根拠があるそうでお勧めです。一方普段は気にならないようなことまで気にしてしまいがちですので事前にトイレは済ませ、1時間前にはバナナを食べて空腹感を抑えスタミナを蓄えることをピアニストは励行しているようです。もう一つの不安はいわゆる暗譜が飛んで頭が真っ白になりはしないかという点でしょう。暗譜が飛ぶことを英語ではメモリースリップ(memory slip)と言います。本番待ちの間に出だしの最初の音は何だっけ?その次の音は?と考えると段々パニックになってしまい、出だしで大ミスをした苦い経験を誰もがしていると思います。弾き始めると指が記憶していて問題は無い訳ですからこの呪縛に陥らないためには、頭の2小節くらいは自分でそらで楽譜が書けるくらい譜面を覚えることですね。これで自信をつけ余計な疑問を持たないことでしょう。
あとは「これでまた人前演奏に慣れるチャンスだ!」、「アマチュアだから間違えたって給料が減るわけじゃないや!」とか居直りフレーズを心の中で叫ぶことでしょうね。


 正しい拍感で忙しい演奏にならないようにする (03年 1月25日)

 テンポの速い曲でも、レコードで聴く達人の演奏はゆったりと聴こえる。我々の演奏はゆっくりしたテンポの曲でも録音を聴くと何故かせかせかとして落着かない。全体としてのテンポはちゃんとキープしているのに何か速めで忙しい感じがすることに気が付くでしょう。これは拍のタイミングに対する音を出すタイミングが早めにあることと、最終拍が多少詰まって短いことが主な原因です。すなわち時を刻む拍に対して音が前のめりのタイミングで出る傾向があり、むしろ拍より後ろ目に出すようにする、「後ろノリ」と言ってリズムに引っ張られるようなタイミングで音を出す感じで実はジャスト合っているのです。それから小節の中でのいわゆる拍感が大切で、次の小節の1拍目に意識がいき過ぎて最終拍があせって短く詰まる、その結果次の1拍目を早く突っ込む傾向が誰にでもあります。そのために4拍子の場合は「1、2、3、4と、1、2、3、4と、1……」というように最終拍の後に「と」を付けて数える。最終拍を丁寧に感じることと同時に1拍目が前のめりにならないように落着いてゆったりとしたタイミングを感じながら丁寧に音を出すことを訓練し習慣付けることが必要です。最終拍と1拍目をゆったりと意識することで見違えるように音楽性豊な演奏に変わります。逆にこれが出来てないと、テンポはどんどん走って速くなって演奏が破綻することにもなります。

一方、打鍵はピシッとジャストなタイミングでできることが必要で、鍵盤の底まできちんと打鍵されること、また左右の手のタイミングが針の穴に糸を通すような正確さで合うことも重要です。ということはきちんとしたアーテキュレーションで弾けるテクニックが必要ということでもあります。


10 鍵盤の底までしっかり打鍵しよう     (03年 1月28日)

 レガート奏法を先ず完全にマスターしよう。基本的には脱力した状態で手首を固めないで、腕の重さを指に載せて鍵盤の底まで「落とす」ことです。手首は柔らかく指先はしっかりしていることが大事で、特に第3関節が延びたり外側に反ったりたりしてはいけない。その状態を持続させ次の指が落ちると同時に指を上げる、音は切れ目なく繋がることになります。練習の最初の時は鍵盤に落とす前、指は高く上げて落とすが、次第に鍵盤上に接近又は接した位置からの打鍵で落とす。一方スラーがかかった最後の音は鍵盤から上に「抜く」ように打鍵する。この「落とす」「抜く」という打鍵の意味が分からない方はやはり正規のピアノの先生に教えてもらうべきで独学での会得は不可能です。実はおばぴーも4年前にはスラーも何も意識しない自己流の奏法でコンクールの審査員に指摘されて、師匠に基本から習い始めました。基本的には一音ずつ確実に鍵盤の底まで落とすことが重要です。鍵盤を手で押し付けるようなタッチや、鍵盤を撫でるようなふわふわした浮いたタッチは本番で必ず弾けなくなります。音量も出ないしアクセントなどもつけられません。椅子に座った時の足の位置は右足はダンパーペダルを踏む位置として、左足は40センチほど左へ、更に指先が右足の踵付近まで手前に引いた位置を基本とします。両手を使ってのフオルテシモなどはそのまま左足で体を立ち上げるように体重を打鍵に掛けることで迫力・深みのある音になります。


11 気合を入れて暗譜をしよう          (03年 1月30日)

 コンサートではピアニストは当然暗譜で演奏します。視奏に比較して暗譜演奏は何倍もの精神的プレッシャーまた時間的な労苦を伴います。暗譜演奏の習慣はシューマンの妻クララ(当時卓越したピアニストとして名を馳せていた)が始まりで、以来200年を経た今日までピアニストの苦行が続いているわけです。アンサンブルや伴奏などでは楽譜を見ての演奏ですが、ソロの場合はピアニストは颯爽と舞台に現れて必ず暗譜演奏です。ただ例外的には今は亡きリヒテルは視奏であってそれが許された唯一のピアニストであったそうです。
 確かに譜面を置いての演奏は格好が悪いし、緊張感が薄い分聴衆へ感動を与えないことも事実ですね。ましてやコピーを数ページつなげた譜面を譜面台いっぱいに並べての演奏はいかにも「練習中の演奏ですよ」と言わんばかりで失礼なことに見えます。また自分の出した音も譜面台にさえぎられてよく聴こえない、などなど中途半端な演奏ということで、ピアノ道を追究する者としては是非気合を入れて暗譜をしようということになります。通常のピアノコンクールでは全て暗譜を義務づけていますし、我々に身近なアマコンやPTNAのコンペでも参加者のレベル向上に合わせて年々暗譜への要求を高めている現在、その意味を良く噛みしめましょう。暗譜をするほど良く弾き込むことで演奏の完成度が高まることは事実で、内容が深まりそこにいろいろな学ぶべきことの発見・進歩があります。暗譜には大変なエネルギーが必要で、更にそれをキープすることも大変です。プロは数時間に及ぶ曲数を暗譜していますが、我々はせめて1・2曲は暗譜で弾けるようにし、緊張感ある演奏を時々はしたいですね。


12 頭を使って練習しよう            (03年 2月17日)

 限られた時間の中でのピアノの練習は効果的で成果の上がるものでなければいけません。
一番良くないのは、いつ曲の始めから終りまで通して練習する、いわゆる弾き飛ばすことです。肝心の良く弾けてない難しい部分を雑に弾き飛ばしてしまうだけで何の進歩もありません。難しい部分を取り出して何度も練習する。指使いを工夫する、リズムを変えてみる(例えばタッカー…付点で弾く)、テンポを遅くして、左右別々の手で弾く、録音を聴く……などなど自分なりの解決法で工夫をすることです。また直ぐに先生に教えてもらおうとしないで自分で客観的な問題点を発見することも大切です。これらは集中して頭を使うことと、折角憶えた部分を直すには強い自己変革の意識も必要です。ですから本当に練習に集中できる時間は20〜30分と言われています。時々10分程度の休憩を入れたり気分転換をしながら続行することになります。練習は決して気持ち良くピアノを弾くことではなくて、問題点を見つけてそれを解決するためにいろいろ角度から検討試行する、本当に頭の芯が疲れる作業なのです。極論するとピアニストにとって気持ち良くピアノを弾けるのは本番のコンサートの時だけだそうです。
勿論、全体を把握したりするのに最終的には通しで弾くことは大切なステップですが、少なくとも当面コンサートなどの本番の無い時は部分練習に力を入れるべきでしょう。


13 フレーズ(メロデー)の弾き方のポイント    (03年 3月12日)

 大概のフレーズ(メロデー)には必ず方向性があり、その頂点に向かって段々と上り詰めてから下降して一つの終りをむかえます。すなわち上向系から頂点に達してから下降する、特にベートベンの音楽はこのパターンが顕著であるようです。ですから譜面を読む時にそのフレーズが向かう頂点は何処かを見つけることが大切です。例えば、ドレミファソファミレというスラーのかかったフレーズがあった場合、上向きのドレミファまではクレッシェンド、ソで頂点となり、ファミレが下降でデクレッシェンド、最後のレは打鍵を上に「抜く」いうことになります。頂点であるソはテヌートをかけて「タメる」ことがメロデーを美しく弾くための定石です。頂点の音を出してから手首が旋回して下降に移るいわゆる「つばめ返しのタメ」がポイントです。上向き部分は通常は下降部分に比較してかなり長い傾向があり、この部分はクレッシェンドと同時に気持ちの高まりを表現して少し速めに、逆に下降部分は気を抜く弛緩の意味で少し遅くすることも表現を豊かにするポイントです。これがコンピュータのような無機質な演奏と心の温もりを感じさせる芸術的な演奏の違い、またフレーズの構成や区切りをきちんと意識した余裕ある説得性を出すテクニックの一つです。このポイントは右手の主メロデーだけでなく、内声でも同様ですので見逃さないことですね。


14 ミスを気にし過ぎないこと              (03年 3月12日)

 「ミスタッチで音を外しまくった、途中フレーズを飛ばしてしまった……」などなど演奏が終わると皆さんいかにも失敗だらけの演奏に終わったように嘆きます。新進のピアニストの皆さんも同様初のコンサートなどではしょんぼりしたりして。。。。でも聴いている我々には実は何処がミスしたのか全然気がつきません。結構ピアノにうるさいFANTASIAのメンバーでさえ誰も気がつかないのです。誰でも良く知っている超ポピュラーな名曲などでは明確に途中で止まったりすれば気付きますが、少しくらいのミスタッチは演奏者本人やその曲の演奏経験者以外はほとんど気がつかないし気にもなりません。これは、演奏者は非常に鋭い感覚で一つ一つミスを感じとり、頭の中はミスの記憶で一杯になるからです。実際はミスは曲全体の2〜3%でしか無いのに頭の中では90%が間違いのように錯覚するからです。一方聴衆は逆にミスを出来るだけ除外して聴こうという傾向があり、2〜3%のミスはゼロに聴こうとする訳です。このように演奏者と聴衆の間にはミスに対する感じ方に大きな違いがあるのです。特に新進ピアニストの皆さんは実際は想像を絶するプレッシャーの中でデビューコンサートなどに臨むので大変です。「ドビュッシーのベルガマスクなんか弾いたことがある人は聴衆の中にはいないから、少しくらい音を外しても、途中弾き直しても誰も気がつかない。気付くつく人はいたとしても100人中に一人くらいのピアノの先生くらいだよ」と励ましてます。演奏の崩壊はミスが更にミスを呼んで起こるケースが多いので、ミスに過敏にならないことが重要です。


15 楽譜をよく・よく・よ〜く読もう          (03年5月25日)

クラシック音楽の演奏はいわゆる「再現芸術」です。すなわち先ず作曲者の意図を楽譜から全て忠実に読み取り、弾けるようにします。その上に演奏者としての自分なりの芸術性を付加していくことになります。単に音を追いかけて弾ければという考え方から、いろいろな表現の指示をまずよく読み取り曲の構成をしっかり把握することが重要です。主題が何度か出てくる時には、その都度表現の指示が多分異なるでしょう(→dolce →PP というように)。crescendoがあると直ぐに音を強く出したがりますがそれがどこまで続いて頂点がどこなのかを見極める。ritardandoの指示があったらそれが何処まで続いてどんな形に納まるのか(たとえばLentoになるのか)、など指示記号の指示をどこまで利かせるのかをよく把握することが大切ですね。また  とあると右手パートだけfになってはしないか?左手のハーモニーの支えも同時にfになることが必要ですね。また内声を的確に見つけること、それと主声部とのバランス、和音を押さえた時の一番重要な音はどれか。フレーズの出だしと何処へ向かって頂点はどこか?それから終りは何処か、どんな納まり方か。繰返しがある場合最初と2回目はどう変化させて弾くかなどなど新曲にとりかかる時に、音を拾う前に最初に譜面をよく読んで、構成やメリハリ、をよく把握することが大切でしょう。アマチュアの演奏は得てしてメリハリがなく全体mp(メゾピアノ)といった平坦な音楽になりがちです。譜面を熟読してもっと「再現芸術」に徹っしよう。


16 良い指導者に就こう     (03年12月1日)

 ピアノの奏法は200年を遥かに越える永い年月と何万人に及ぶ多くの専門家により研究されて確立した奥の深い技術です。よく独学で奏法を学ぶという人がいますが、これは一般には無理なことだと思います。おばぴーも18歳から独学でピアノを練習しましたが、いわゆる自己流の悪いクセが多く58歳にして初めて正式にピアニスト小川由希子氏に師事し徹底的に基礎から直されました。悪いクセを直すのは憶えること以上に大変な労力・時間が必要です。いくらテープレコーダやMDを使って自分の耳で矯正しても結局はそれなりの結果でした。運指法や脱力など多くの点を視覚的な観点から見直すことも必要で、音の深さや本当のタッチによる音の微妙な違いなどは録音機械では再現が出来ないし、本人も実は元々知識が無いので区別がつかないのが実態です。楽譜の深い読み方も同様我々の知りえない多くの知識と経験が必要です。先生に見てもらうと不思議な程楽に弾けるようになります。テニスの世界的なプレヤーも、ピアニストも実際にはトレーナーや指導者がいて常に一緒に活動しているそうです。やはり何世紀にわたり多くの人々により確立された奏法を、自分の感性だけでマスターしようとすることは所詮無理なことで、間違った方向でいくら練習しても、それは単なる時間の無駄でしかないと考えるべきでしょう。


17 あがることへの対策               (04年 3月 1日)

この問題に対し、村田貴洋氏の示唆深い見解を引用させていただきます。

ピアノを習う人ならば誰でも直面する問題 ・・・あがる・・・ これは、音楽とテクニックの問題よりも厄介かもしれません。 今現在も自分自身が受けに行っている数々のコンクールでの経験から、次の内容が原因と考えられます。
 1) 本当は曲自身が仕上がっていない為に、演奏が失敗してしまう。
 2) 暗譜が確実に出来ていない事による失敗。
 3) 曲の中に自信がない部分があり、その精神的不安定が原因によるもの。
 4) フレーズに対する呼吸が、ないがしろにされ、それにより身体が硬直してしまう。
 5) 姿勢が悪いために、身体と腕がうまく機能しない。
 6) テクニック的に脱力が出来ていない事による硬直。
 7) 冷静な立場と頭脳でピアノを弾く事が出来ず、演奏にのめり込んでいる。
以上の事でお分かりと思いますが、あがる原因は決して場数が足りないから起こる物ではなく、他に原因がある事が多いという事です。


18 目標をもって練習しよう              (04年4月2日)

 ピアノ道を究めるのにどうしても不可欠なものは具体的な目標を持って、その達成を目指して練習を重ねることでしょう。目標にはいろいろな段階があります。一人でこつこつ練習することから、先生に就いて先生の前で演奏する、発表会に出演する、サークルなどに入って演奏する。PTNAのステップなどを受ける、さらには、ヤマハ・カワイなどのグレード試験や各種のピアノ・コンクールに挑戦をすることなどなど、目標は限りなく設定できるわけです。もちろんプロ・ピアニストは子供の時から多くのコンクールやオーデション、入学試験などの関門を突破し、リサイタルなどの目標をクリアーしていくなかで、技術やキャリアーを高めていくことになります。アマチュアの場合も一人でこつこつ練習しても大した進歩にはならないので、前述のいろいろな目標段階を経るなかでコンクールなどへの挑戦が大きな進展に繋がると考えます。コンクールへ出場となると先生も真剣になりますし、多くの審査員の前での演奏で口から心臓が飛び出しそうな緊張感を経験し、これらの修羅場を経て急速な進歩があります。おばぴーの多くの仲間もコンクールへ挑戦をしていますが、毎年挑戦を続けている人の進歩は目覚しいものがあります。反面、仲間同士での合せ物などで遊んでしまうとあまり進歩は無いようです。どの段階を以って「ピアノ道を極めた」かは夫々の価値観によるものですが要は目標を持って正しい指導の下で弾き込み、客観性の追求と同時に音楽性を高めて「自己満足の世界を脱却する」ことが最重点であることに違いは無いようです。


19 コード奏法は実用音楽だ    (04年5月28日)

 皆さんは、Am、C,G7といったコ−ドがあることは知っていますね。ジャズやポピュラーのピアニストは編曲した2段譜を使わずメロデー譜にコードを付けて自分なりの編曲で弾きます。だから暗譜の必要もなく、メロデー曲集だけで何時でも何曲でも気楽に弾けます。おばぴーも今でも2時間くらいは弾き流せますよ。膨大な数のコードを覚えるのが大変だと先ず敬遠されますが、実際のコードは数種類で、あとは根音が違うだけで覚えるのは思ったより遥かに簡単です。ホテルのロビーやレストラン・喫茶店などでの実用ピアノ演奏のプロは全てこの方法で演奏します。この手のピアノ演奏はBGMとしての役割が大半で、何よりも大切なことは客に「うるさい!!」と言われないことです。と言うことはコンサート用に作・編曲された一般のクラシックの曲はダイナミック・レンジが広すぎて必ずしも実用的ではありません。轟音轟くベー様のソナタ「月光3楽章」などは使えない(笑)し、難曲を必死で弾いている姿は客に癒し感を与えない。それにコケたら……。それと客の反応を見て更に1コーラス追加しよう、会場の規模に合せもっとソフトな感じに弾こうなどと臨機応変に弾くわけですので、譜面に忠実なクラシック(再現芸術)では対応は困難です。一方ポピュラーやジャズで編曲された譜面が多いですが、それは編曲者自身が弾きやすいように勝手にアレンジしてますので、一音一音クラシック的に弾きこむことや暗譜もナンセンスです。むしろ前奏やコーダ、メロデイーの崩し方、対旋律などで気に入ったものはその技を盗んで自分の編曲に活用しよう。自分なりの編曲の構成パターンもを決めておくことも大切なノウハウです。例 : 前奏ー1コーラス(単音)−2コーラス(メロデー・フエイク・崩す)−3コーラス(和音奏法)−コーダ。
コードはクラシック音楽にも共通ですので、暗譜や譜読みにもおおいに役にたちます。


20 楽譜の読み間違いを無くそう   (04年6月10日)


 おばぴーは、ドビュッシーのベルガマスク組曲にハマッていて、プレリュードや月の光などを少しずつ練習をしています。先日、月の光の譜読みがある程度進んだ段階で師匠に看てもらいました。自分でも驚いたことに、十数か所に及ぶ実に多くの箇所で音を違えて譜読みをしていることが指摘されました。師匠は実に耳の鋭い人で、和音の中の1音が違っていても即座に指摘をしてくれます。これは今回の月の光に限らず今まで習った曲ごとに実に多くの間違いを直してもらっています。我々アマチュアは聴音などの訓練も受けてないので、和声上で大きな違和感が無い限り間違えた音を其の侭覚えこんでしまうことになり、アマチュア同士の中の演奏では誰も気がつかない場合が多いが、コンクールなどでの審査員や専門家は必ず気が付くでしょう。おばぴーもあるコンクールでベー様の悲愴ソナタの途中の和音の1音違ったことを講評の中で指摘されたことがあります。一流のピアニストにもこの楽譜の読み間違いは起り得るし、立場上音の間違いは絶対に許されない訳で慎重なチェックに更に専門家に聴いて貰って確認するそうです。我々の譜読みも一度憶えたから良しとせず、更に1・2度は1音1音を再度確認のための譜読みを繰り返すことが必要ですね。勿論音の間違いだけでなくアーテキュレーションの間違いや記号・指示などの見落としや勘違いもあり、同様確認が必要です。


21 自己満足の世界とは         (04年7月15日)

 ピアノは楽器の王様と言われるだけあって、その完成された美しいフルム、深い音、幅広いダイナミックレンジ、オーケストラの全ての楽器を網羅する音域の広さなどなど、実に魅力的で、とりわけ名器と言われるスタンウエイやベーゼンドルファなどのフルコンに触れ弾くことが出来る環境はまさに至福の思いでしょう。ピアノを弾くということは、それがかなり怪しい演奏であっても自分にとっては無条件に気持ちの良いことで、ここに「自己満足の世界」の元凶がある訳です。自分では気持ち良く弾いていても、リズムや拍感が違っていたり、フレーズ中の音が揃ってなかったり、左右のタッチのタイミングがズレていたりなど多くの問題点を各小節やフレーズの中に内在しているのが普通です。練習というのは、これらの問題点を発見し如何に直すか、また弾きやすい方法を模索して対策をする作業です。これを繰返しやることで完成度が高まっていくことになります。
 一方サークルなどでは仲間同士の演奏の感想・評価は、その人のレベルに合わせた良い点を見つけてそれを褒めることが多いと思います。演奏上の問題点を指摘して、どう直すかという客観的な講評・指導は、サークルの和を保つために避けるのが普通です。「音がソフトで素晴らしい演奏です」などお褒め言葉に敏感に反応して、自分の演奏は上手いんだと錯覚する人が時々いるようです。これなども典型的な自己満足の世界ですね。アマチュアで音がソフトというのは、鍵盤が底までジャストのタイミングで落ちていない場合が多く、プロの音はピアニッシモの場合でも歯切れ良く音に輝きがあります。この自己満足の世界に陥らないためには客観的な評価が不可欠で、指導者のもと正しい練習をすることが必要のようです。


22 ピアニストへのステップ(道)     
       (04年8月2日)

 ピアノ道を極める大目標の一つは、自分でソロ・リサイタルを演ずることは無理としても、プロ・ピアニストの前座で3・40分コンサート・ステージが務まるということと考えてみましょう。勿論、暗譜演奏でトークなども入れるし、途中でコケて沈没したりは絶対に許されない条件です。この2・3年FANTASIAの活動を通じてプロ・ピアニストの皆さんとよく話合いをいたします。意外なことに音大生でも10分以上の演奏をする機会はなかなか無いようで、コンクールやオーデションに挑戦するのも一部の優秀な学生に限られており、卒業後に自己のリサイタルを行うのは更に一握りの人のようです。ですからピアニストになるということは音大を卒業することとは全く別の世界の訓練・研鑚が必要のようです。将来自宅にスタジオを開き、近所の方や友人を招いて自分のコンサートをやるのが目標です、と懸命に自宅で練習をしている音大卒の女性がいました。何時も視奏で、いつかコンサートをやるときに全曲を暗譜しますという人もおりました。多分この方々の夢は実現しないでしょう。ピアニストへのステップは徹底的な曲の弾き込み暗譜は当然必要ですが、明確な目標志向であって様々な場を踏んで、その都度、外部条件や精神・体の悪条件に屈することなく弾き通すことの経験・実績を積上げることで、自信と集中力の持続が養われるようです。一方ポスターを作成する中では、プロフイールが実に大切で演奏レベルの高さを裏付けるキャリア実績が集客には絶対的な要素で、アマチュアには不利な部分ですね。その意味で前座のステージを目標の一つと考えてみました。


23 止まったり、暗譜がとんだりは必ず原因がある  (04年9月28日)

 途中で止まったり、音を外したりは我々アマチュアの演奏ではむしろ普通のことかもしれない。しかし何度も言うようにコンサートでは許されないことで、我々はこれを減らしてゼロにする努力が必要です。これは曲を弾きこむことで解決することですが、暗譜で最後まで弾き通す自信が持てないと途中で挫けて、その後はどうでも良いような気持ちになってメロメロな演奏に終わるケースがよくあります。即ち集中力が切れることですね。ピアニストは100分に及ぶプログラムを暗譜で弾き通すわけですが、彼等もかっては同じ悩みを克服したもので、自分にも絶対にできるはずと思い込むことが必要です。同時に暗譜演奏の実績を日頃より積上げることですね。
音を外したり、止まったり、暗譜が飛んだりするのは必ず原因があるはずで、問題点を的確に見つけて対策することが必要で、ただむやみに多数回弾き直しても解決にはなりません。指使いを変更・改善したり、譜面を更によく見て音を確認したり、左手右手別々に練習したりなどなど工夫が必要です。譜読みが終わってから更に何ヶ月か弾きこみが大切だと思います。最初から無理やり暗譜しなくとも譜面をしっかり見ながら弾き込む中で段々暗譜していく順番で、最終的には必ず暗譜演奏をすることがポイントのようです。FANTASIAでも皆さん努めて暗譜演奏を心がけてから止まったり、ミスったりすることが減って安定した演奏が多くなってきています。 


24 曲はとことん弾き込んで完成させよう      (04年10月29日)

 皆さんご承知のように、読書には多読と熟読があります。すなわち多読(
Extensive Reading)とは短時間に多くの書物を読むことで、これに対し熟読(Intensive Reading)は文字どうり時間をかけて文章をじっくり玩味することですね。ピアノの練習も同様で初見演奏などを含めて次から次へと多くの曲を手がけるケースと、これと決めた曲をじっくりと弾き込むケースがあります。プロ・ピアニストは短期間に多くの曲をこなすために、効率の良い練習法により曲を完成させる必要がありますが、我々ピアノ道を究めようとする者にとっては楽譜を隅々までよく読んで、時間をかけて弾き込んで完成度を上げて、演奏のレベルを上げることが重要だと思います。曲は弾き込むほどに音がしっかり入って音楽的にも深まることを皆さんはよく解っていると思います。これと決めた曲は最後まで暗譜をするくらいまで完成させることが大切です。次々と多くの曲を手がけても必ずしもレベルアップにはならないし、中途半端な演奏曲目が粗製濫造となるだけですね。一番良くないのは1曲1曲を最後まで仕上げないで、あれこれ曲を弾きあさったりして「遊んでしまう」ことですね。アマチュア同士の合わせものなどで遊んでしまうと、譜読みの時間を費やすだけで演奏技術上ではほとんど進歩が無いケースも多いようです。練習は譜読みの段階は楽しいが、弾き込み仕上げの段階は結構苦しい努力の積上げです。これが上達への大切な分岐点ですね。


25 アマコンは終わった、さてどうする?        (04年12月15日)

 アマチュアの挑戦の場とし大きな役割を果たしてきたアマコンが諸般の事情により終了しました。とても残念です。おばぴーがここ数年いろいろなコンクールに無謀な挑戦をし落とされ続けてきて判明したこと、それは別の世界と考えていた一般のコンクール(対象:主としてプロ志向の音大・卒生)での入賞のレベルは皆さんの認識と違ってアマチュアでも十分に手がとどくものなのです。この判断からアマコンA部門挑戦中のFANTASIAの女性に某コンクールの一般の部への挑戦を薦めてみました。並み居る音大卒のコンテスタントを抑えて予選を通過、本選でお見事に奨励賞を獲得されました。ご本人もびっくり。。このコンクールでの上位(1〜3位入賞)はコンサートピアニストへのレベルであり、奨励賞はピアニストへの登竜門として伝統ある家永オーデションに合格の可能性のあるレベルです。アマコンでA部門1次予選通過、B部門でファイナリストになれる方々は十分に一般のコンクールで予選通過、本選入賞の可能性があります。アマチュアは得意な分野に偏りがあり、バロック・クラシック・ロマン派などと幅広い分野の課題曲がある場合には不利ですので自由曲で受けられるコンクールを選ぶこと、一方審査は基礎技術に対しては厳格
で、ある種減点主義的ですので自己流というのは無理です。なので指導者(コンクール入賞経験者である方が望ましい…いろいろ含蓄あり)と二人三脚で取り組むことが必要です。一般のコンクールも近年受ける音大・卒生が多いので増加傾向で通年数多く開催されています。おばぴーの読みと耳は的確なのでありますよ。。(^0^) (^-^) (◎_◎)